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■汎用車速パルス発生器の取り付け■


 標準で車に付属していた車速パルス発生器が不調になり、ナビが車速を認識できなくなりました。
 純正の修理部品についてディーラで確認すると、部品代だけで¥41,730-('09年10月時点)でした。
 物の割りに価格なので、汎用品を探してつけてみる事にしました。
 
 取り付けたのは、シリアス製の「汎用車速パルス発生器 CC-VSS01」という商品で、送料込みで7千円ほどですみました。
 純正のパルス発生器とは方式が異なりますが、車の配線とは完全に独立しており、CAN-BUSなどの電装品に影響を与えません。
 配線はアースとパルス出力(ナビの車速信号線へ接続)の2本を接続するだけのもので、コイルと磁石でパルスを発生させるもののようです。
 ドライブシャフトやアクスルシャフトに磁石を固定し、それをコイルで感知します。

 車をジャッキアップして、フロント左右ともウマにかけます。
 車の下にもぐったときに動きやすいようにレジャーシートを敷きました。
 ホイールを外す必要はありません。

 車の下にもぐって、次の条件で取り付け場所を探しました。
 
 ・磁石のシャフトの径が太い場所に着ける
 ・エンジンの熱の影響を受けにくい場所
 ・金具を固定できる穴があるところ
 
 悩んだ結果、運転席側のドライブシャフトブーツの根元に磁石を固定しました。
 4個の磁石を90度間隔において、タイラップで締め付けます。
 だいたい90度間隔だと思う部分に仮着けし、タイラップを緩めに縛ります。
 ホイールのスポークの隙間から覗いて、ズレを確認し、磁石の位置を調整します。
 1人で取り付けを行ったので、車の下と横を何度も往復する羽目になりました。
 この作業は2人で行うと早く済むでしょう。

 次はパルス発生器の固定です。
 写真の矢印の穴を固定穴に利用します。
 付属の金具の他に、ホームセンターなどで売られている汎用のL型の金具を使いました。  

 裏側にナットをかけられるスペースがありません。
 板にネジが切られている金具(通称:角ナット?)を隙間に入れて、外からボルトで固定しました。
 固定する部分は、少し窪んだ形状をしていた為、ナットを何枚か重ねて高さを調整します。
 付属の金具はそのままだと大きかったので、はみ出す部分や邪魔になる部分を金ノコで切って加工しました。

 パルス発生器の説明書により、磁石との距離を調整します。
 タイラップの継ぎ目が、磁石よりも飛び出しているので干渉に注意しましょう。 
 
 ボルトにはロックタイトを塗布しました。
 ボルトは一点止めですが、回止めになるよう金具をシャーシに当てています。

 配線を車内に引き込みます。
 フェンダー内を通すと楽に車内まで引き込めます。
 足回りの可動部に干渉しないよう配線を引き、ブレーキラインをカバーしているインナーの内側を通します。

 車内へはワイパーの付け根付近のカバーの内側にあるゴムブッシュから引き込みます。
 ワイパーの付け根付近にあるメッシュのカバーを外すと、フェンダー内へ繋がる穴があります。
 そこから紐をたらして、フェンダー内のインナーの内側に手を入れて、紐をたぐりました。
 配線にその紐を縛って引き上げると、見えない部分でも簡単に配線を通せます。
 車内へは、運転席側の壁に配線用の不使用のゴムブッシュがあるので、ニッパーで穴をあけて配線を差し込んでいきます。

 運転席側室内のAピラーの内張りを外して壁沿いに手を入れると、差し込んだ配線が引き出せます。
 配線が引き出せたらインパネの内側に配線を落とし、グローブボックスの裏側まで引き回します。
 説明書に従い、片側をアースへ、片側をナビの車速信号の配線に接続します。
 アース側は丸穴の圧着端子をつけて適当なフレームのネジに接続しました。

 ナビの学習機能をリセットし、走行テストをします。
 磁石とパルス発生器が干渉して異音が無いかなども確認します。
 トンネルや高架下など、GPSが入らないところでもナビが動けば取り付け成功です。
 
 ところがここで問題が発生しました。
 ナビの接続確認画面で確認したところ、時速25kあたりからナビがパルスを認識し、25k以下のスピードで走った区間は、停車中と認識されGPSが受信できていてもナビが動きません。
 写真はナビの走行履歴を写したものです。黄色く描いたルートで走行したのですが、減速して交差点を右折したあと、スピードが出るまでの区間に履歴(白い点)がありません。
 
 ナビの実用性を上げるには、パルスをより低速でも発生させられるよう改善が必要です。

 パルス発生器の取説に記載されたメーカの電話番号に、パルス発生の改善方法について相談してみました。
 メーカさんは親切丁寧に相談に応じてくれました。

 パルスをより低速で発生させる方法は2つ。
  @磁石の位置をより大きな径に変える
   (磁石の通過スピードを上げる)
  A磁石とコイルの隙間をできるだけ詰める。
   (コイルが受ける磁力を上げる)
  
 @はエンジン回りの部品に干渉するので現状が限界です。
 Aはタイラップの継ぎ目が大きく、これ以上隙間を詰めるとコイルとタイラップが干渉します。
 そこで、磁石の固定にタイラップを使わず、テープなどで固定するアイデアを頂きました。
 シャフトはエンジンの熱を受け、グリスなどが付着する部分です。対薬品性、耐熱性に優れたテープが必要になります。
 そこで、写真のニトフロン粘着テープを入手しました。

 タイラップを外し、磁石の上からテープを貼ります。
 4個の磁石をこの状態に仮付けします。

 その上から、シャフトを一周以上する長さのテープを巻きます。
 一周したテープが重なる部分を作り剥がれにくくします。
 テープは念のため、二重に巻きました。

 これで、磁石とコイルの隙間を詰めることができるよになりました。

 金具の固定位置を変更し、磁石とコイルの位置を詰めました。
 テスト走行をして干渉が無いかを確認します。

 ナビで確認すると時速10kでパルスを発生、ナビの動きも改善されました。
 10k以上でパルス発生なので、渋滞時もほとんど問題ないでしょう。
 
 
 
 <以降2011.01.24追記>
 2ヵ月後、突然車速パルスが出なくなりました。
 車の下にもぐって確認したところ、見事に磁石が飛んでなくなっていました。
 次の作戦を検討します。

 テープでは剥がれてしまうので、やはりインシュロックで固定する必要があります。
 インシュロックは小さいものを使うとしても、どうしても継ぎ目の高さができてしまいます。
 磁石とコイルの距離を離しても、同等以上の効果を得るためには、いままでよりも磁力の強い磁石が必要です。
 
 そこで、ネオジム磁石という磁力の強いものを使うことにしました。
 左の写真がそのネオジム磁石です。これを4個購入しました。
 手前に写っているのが、車速パルス発生器に付属していた磁石です。テープが剥がれた際に、自力(磁力?)でシャフトにくっついていました。
 

 ネオジム磁石は磁力が強いので、アクスルシャフトに付けても、すぐに周りの金属に向かって飛んでいきます。
 そこで、インシュロックで縛る前に接着剤で固定することにしました。
 使用したのはセメダインスーパーXゴールドというものです。
 立ち上がりの接着力が強く、熱、水、衝撃に強いというものです。

 ネオジム磁石はパルス発生器に付属していた磁石と磁力方向を同じ方向にして接着しました。
 ひとつの磁石を接着して、数分硬化を待ってから次の磁石を接着していきました。
 タイヤを45度づつ回して、4個の磁石の接着が完了したら、インシュロックで固定します。

 継ぎ目の小さなインシュロックを4本繋いで固定したのが左の写真です。
 
 磁石とコイルの距離は少し離れましたが、磁力が強くなったので、時速5kあたりからナビがパルスを認識するようになりました。
 これで、今後も磁石が外れにずにいてくれると良いのですが・・・・・
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